安房岳の麓を回り込み終えるとナンバー3の栗生岳が鎮座する巨大な山塊が目の前に立ちはだかります。
ここまでのシンドイ道のり。吹き出る汗。切れる息遣いが目の前に広がる感動を倍増してくれます。
「わ〜、なんて素晴らしい景色っ!」
そして、その後に必ずやってくる感情「この山を越えないと宮之浦岳には、たどり着かないのかあ。果てしないなあ。。」
それは、まるで夢を追う人生のよう。夢はとても素晴らしくワクワクで希望の光。その光は、たどりついた姿を妄想させ、感動させ、人を突き動かそうと揺さぶる。でも、その光に到達するには道のりは長すぎるし、大変すぎる。そのうちリスクや苦労ばかりのリストを頭の中でつくりだして、楽な方へ安全な方へ舵を切り、多くの人が夢を追うのをやめていく。
そんな中、山を登る人は黙々と一歩一歩。歩くことやめなければいつかは宮之浦岳に到着することを知っている。不安や恐怖もきっと心の中にはあるのだろう。
それでも一歩一歩、夢へと。
山を登る人は無言の山の中でいつも
肯定的な信念を育んでいる