今年も雪の永田岳にやってきました。積雪時に花山歩道から上り詰めたのははじめてでした。道中の雪の少なさから山頂はあまり期待できないことがわかってくると経験則が邪魔してワクワク感が消えていきそうな時、見上げた花山の巨木に思わぬ感動をたくさんもらいました。ゆっくりと標高を上げていきながら、亜熱帯の森から亜寒帯の高山までをじっくりあじわえるこのコース「花山歩道の森歩き」はやっぱり素晴らしかったです。
宇宙船のようなこの永田岳の岩塊に出会うたびにいつも、今日こそは岩の扉が開いて宇宙人がでてくるかもしれない。そんな童心的な思いにさせられるお山です。
南国の山岳だけに寒波がすぎると急速に雪が消えてしまう状況の中、まずはじめに溶け出すのは巨岩の上の雪。いの一番にとけてしまう永田岳の雪化粧に出会うためには、寒波前に入山して、鹿之沢小屋で寒波をしのぎ、吹雪が去ったら、即アタック! この方法しかないかもしれません。
下界でうまれてしまう欲と怠惰と大人の事情をコントロールして山への情熱に集中しつづけることは、雪山をラッセルして上り詰める山行よりもはるかに難易度の高い手強い冒険だなあ。
3日を要した夢追い山行
花崗岩の地肌をむき出したすっぴん永田岳に
「そんなに甘かね〜よ」と笑われ撃沈
今年も夢叶わず!
いや、今一度シベリアの風よ、大寒波を呼び起こせっ!