写真からも伝わるように、今回ご一緒させて頂いたご夫婦は自然や生物の不思議をとことん楽しめるお二人でした。
上の写真は1センチに満たない小さなキノコが水滴に包まれているところを撮影しているところです。
トレッキングの休憩時間、奥さんが目の前の木の枝を凝視しているので新葉の鮮緑を見ているのかなと思ったら、「投げ縄グモかなぁと思って。」とのこと。
よく見ると蜘蛛の巣があり、そこに水滴の様なよだれ状のものがあり、それを投げ縄の様に投げて獲物を捕獲するクモがいるとのこと。
そのあと、彼女はヤクシマタゴガエルを見つけると嬉々として捕まえようとしている。
一匹目は、素早く飛び跳ね見失ったが、二匹目はスゴイ集中力でしっかりゲット!
とても愛しそうに優しく手に包みしばし観察した後、放してあげていました。
クモを見ている姿や、カエルを必至で捕まえようとする様子を見ていて僕はとても嬉しくなりました。
何故なら、屋久島の自然にほとんどの人は感動するけれど、虫やカエルは苦手な人が多いのです。そんな中、素手でカエルを捕まえる女性に会えたのは嬉しい刺激でした。
どんな風に自然に興味が湧いたのか気になり聞いてみると、彼女は、保育士で子供達と一緒に自然に接している内に、植物や生物への関心が高まっていったそうです。
そんな中、虫やクモなどの顔をよ〜く見るとそれぞれとても面白いという事にも気づきそれを園の子供達にも教えたところ、『ハエが可愛い!』という、彼女を上回る子も出てきたそうです。
道中彼女は、僕も気づかない微細な虫や植物を見つけて本当に楽しそうでした。こんな先生と一緒に遊んでいたら沢山の発見があって楽しいだろうな。
また、相方の旦那さんのユーモアのセンスは抜群で、お二人のコンビは素晴らしく、笑いに満ちたトレッキングになりました。
太鼓岩に着くと、霧雨の中完璧な展望は望めない代わり、二人を祝福するような虹がかかっていました。
ムビラガイド 濱田 森