西部林道
屋久島に生きる鹿はヤクシカと呼ばれ、日本に生息するニホンジカの亜種とされています。北海道のエゾジカのオスが140kgに対して、ヤクシカのオスは30-40kgと、かなり小型です。北海道からやってきた旅人さんは、成熟したヤクシカを見て「かわいい鹿の子どもですね」とよく言います。笑
焼野三叉路周辺
動物が小型化していくのは、一つに体温保持のためといわれ寒い場所ほど哺乳類は大型化するといわれています。体の容積を大きくした方が体温が保持されるからです。逆に暑い地方で体が大きいと熱が逃げにくいので小型化されていくという考え方です。次に、捕食者がいない場合も小型化するそうです。屋久島に住む肉食動物といえば、コイタチと猛禽類といったところでしょうか。両者とも鹿より小さいため鹿を襲った話を聞いたことがありません。鹿の天敵はヒト以外いないのです。最後に、生息密度が高く食物資源をめぐる種内競争が強い場合も、小型化していくそうです。屋久島には「ヒト2万、シカ2万、サル2万」という表現があるほど鹿が多い島です。
永田岳付近
そんな理由で、小型化した屋久島の鹿。一言で言うと「とにかく可愛い!」です。奈良県の春日大社、広島県の厳島神社、茨城県の鹿島神宮は、鹿が神使とされています。神使とは「神の使い」のことでこれらの神社ではとても大切にされています。屋久島の里では獣害駆除で殺されてしまうヤクシカですが、原生の森で出会うと誠に神々しい存在です。その神聖さを何とか写真で表現できないかと、撮り続けています。
永田岳山頂にて
このフォトギャラリーでは、数ある鹿写真の中から選りすぐった写真たちでその神聖さと生態をお伝えできたらと思っています。
3月、去年のびた角がとれる。
白谷雲水峡にて
4月、初めての冬を乗り越えた去年生まれた鹿
西部林道にて
8月、母と子はいまだ共に
安房岳の麓
西部林道
焼野三叉路周辺
花之江河にて
黒味岳山頂付近
小花之江河にて
淀川小屋付近
小花之江河
小杉谷山荘跡周辺
白谷雲水峡
辻峠周辺
花之江河