屋久島のニホンイタチ( Mustela itatsi sho )

【食肉目 イタチ科】2018年2月14日に白谷雲水峡にて撮影。

 

ついに望遠レンズで初めて撮影することができました。こんなに可愛い顔をしていたんですね。パソコンの画面で拡大したらあまりに可愛すぎて30分ぐらいずっと見つめちゃいました。

2018年1月7日に白谷雲水峡にて撮影

屋久島では、遭遇率の低い哺乳類です。なので森で会えたらラッキーです。しかし、出会えたとしても素早く走りすぐに姿を消してしまうので、なかなか撮影させてもらえません。写真の子は、お昼ご飯を食べようとすると、姿を現し10分ぐらい自分たちの周りをちょこちょこ動き回り、時折、広角レンズでも撮影が可能ぐらい近づいてくれました。素早く走り去ってしばらく離れると、ピタッととまって首を伸ばしながら僕らの方に振り向くのですが、その振り向きかたがもう可愛くて可愛くて。しばし我が子の可愛さを忘れてしまうほどでした。

「離れては近づいて、そして振り向く」行動を10回ぐらい披露してくれたでしょうか。その間、撮影に夢中になって、バーナーで温めたお味噌汁はすっかり冷めてしまいました。野生動物との遭遇は、なんでこんなにも心を躍らされるのでしょう。森歩きの楽しみの一つです。アニマルセラピーという分野があるほど、動物は人の心をぐっと掴む何かを持っていますね。

「イタチごっこ」とは、堂々めぐりで物事が全くはかどらないという意。まさに、昼食が全くはかどらない楽しいイタチごっこタイムでした。

ぴょんぴょん跳ねながら素早く移動するのが特徴的です。

 

イタチは、動物性の食べものを好む屋久島の山では唯一の肉食獣。ネズミ、鳥、カエル、カニ、魚の捕食が確認されているそうです。その他、果物や木の実も。反対にイタチを捕食する天敵は猛禽類やキツネと言われています。屋久島の山岳にはキツネ以外これら生きものが皆存在していて屋久島の生態系をかたちづくっています。表情と動きがとても可愛くとても肉食とは思えませんが、凶暴な生きものとされています。

本州から九州に分布するニホンイタチ(日本固有種)は、本州から九州に分布するホンドイタチ(Mustela itatsi itatsi )、伊豆大島に分布するオオシマイタチ( Mustela itatsi asaii )、屋久島・種子島に分布するコイタチ( Mustela itatsi sho )に分類されていましたが、近年の遺伝子解析で九州の個体群に含まれることがわかったそうです。

 

2012年 09月 03日 白谷雲水峡宮之浦線にて撮影

灼熱の夏のアスファルトに内臓破裂で果てたコイタチ

生きものを可愛いという人間のやさしい心
生きものを無残に殺してしまう人間の傲慢な心

僕らの心には相反する矛盾した裏と表の感情が内在している