今年も屋久島固有種であるオオゴカヨウオウレンの花が咲き始めました。
草丈5~13cmの多年草で、コケの群落にひっそりと、7〜8ミリ程の可憐な花が咲きます。
葉は常緑で根生し、雪の結晶のような葉がハスの葉状に数枚つきます。
本州の亜高山に見られるバイカオウレンに、似ていますが、匍匐枝を出さないことで区別されます。
また、白い花びらに見える部分は花弁ではなく萼片で、花弁は一見雄しべに見える黄色いへら形の部分なのだそうです。
蕾の状態もとても可愛らしいんです!
名前の意味は、ウコギの葉に似た葉を持つ、大型の黄蓮の仲間という感じ。
漢名を分解すると少しわかりやすいかもしれません。
「オオ 大」 大きな
「ゴカ 五加」 ウコギの漢名
「ヨウ 葉」 ウコギの葉に似る
「オウレン 黄蓮」 北海道、本州、四国に分布する多年草。
妖精や木霊が現れそうな雰囲気のところにひっそり咲いていることも多いです。
根茎には、アルカロイドのベルベリンを含み、健胃薬にもされるそうです。
屋久島では、大阪の薬問屋に卸していたという記録もあるとのこと。
屋久島では、「春を告げる花」とも呼ばれるオオゴカヨウオウレン。
花の少ないこの時期、コケの中に小さくて可憐で白い花を見つけると、ふわっと優しい気持ちになっちゃう。
大好きな花です。
オオゴカヨウオウレン 大五加葉黄蓮
Coptis ramosa (Makino) Tamura
キンポウゲ科 オウレン属
常緑の多年草。屋久島固有種
撮影地 白谷雲水峡 標高600m付近