夏休み。学校では体験することができない冒険を屋久島の自然で!
自然の中で仲間と過ごした時間が、子どもたちをたくましくさせていく
これまで3年間小学生対象のキャンプを屋久島で実施してきましたが、高学年と低学年の身体能力の差から生まれる子どもたちのフラストレーションを感じることが少なからずあったため、今年からは高学年と低学年を分けることにしました。高学年対象では、今まで以上に冒険心をかきたてるアクテビティにします。
高学年限定のキャンプを企画したきっかけ
屋久島には素敵なガイドさんが多数いますが、夏休みはハイシーズン。島の子より本土から遊びに来る子どもたちと過ごす時間の方が圧倒的に長いかもしれません。私もその一人でした。去年忙しい夏に、ぽっかり1日休みが取れたので、長男坊(当時10歳)と沢へ行った時のことです。もうそろそろ沢登りができる身体能力と体力が身についているかなあ、と少し心配しながらヘルメットかぶらせて登ったところ。。。心配どころか、想像以上に軽快に楽勝に沢を楽しんでいました。
「父ちゃん、いくよ〜」と叫んだので、ゆっくり歩いてくるかと思ったら、走りだした〜!笑 大人でも走るのは躊躇するような丸太。案の定ドボーン。そりゃ落ちるわ。
どんな表情で這い上がってくるかなとファインダー越しに彼を追っていると、この目つき。
またまた大人の予想ははずれました。
大人が考える以上に、子どもたちは冒険をしたがってる
ハッとさせられました。私をふくめ大人たちは子どもたちの可能性を過小評価しているのかもしれません。
3回目で難なく成功。そのときの笑顔は普段、家では見ることのできない一味違った表情でした。
彼らはこれから、たくさんの壁を乗り越えながら大人になっていくわけですが、自分たちの限界の上へ、さらに上へと舞い上がっていく能力はもうすでに備わっているのだと思います。
その能力を発揮できる場さえあれば。
これは一般のガイドばかりしてられないな。一人の父親としてそんな思いがフツフツを湧いてきました。それが企画のきっかけです
この能力は2つの力と言えるかもしれません。心に湧いた思いを実現してやろう!と強く思う情熱と、不安でも一歩前に踏み出すことのできる勇気。大人になって常識を身につけていくにつれて、まわりの目や評価を気にするあまり、だんだん萎んでいってしまう力です。
屋久島の夏はもっとも島の自然を満喫できる季節。子どもたちに屋久島の自然の遊び方を一人の現地ガイドとして存分に伝えたい。
高学年キャンプは、屋久島町認定ガイド田中俊三が、担当します。屋久島で10年ガイドしてきた経験と、農的暮らし&薪暮らし&セルフビルド大工生活から生まれた知恵をフルに活用して、子どもたちの冒険キャンプを全力でサポートさせていただきます。
学校の勉強はもちろん大切ですが、自然の中で冒険する体験は、普段の暮らしではなかなか芽生えない感情が心に宿ると私は信じています。
挑戦しようとする心
困難を乗り越えた時の幸福感
自己肯定感
他者と協調していく力
夢を追う勇気
こんなワードをキャンプの芯におきながらも、押し付けることなく冒険を通して子どもたちの内から自発的に生まれてくる感情を大切に、見守っていきたいと思っています。
3泊4日の大まかな流れ
25日:沢登りで屋久島の深い森へ テント設営などベースづくり
26日:黒味岳 or 太忠岳登山 (天候が良ければ1泊登山にするかもしれません)
27日:フリーディ(子どもたちのしたいことをやる1日。2日間でできあがった関係性で一体どんなアイデアが生まれるのか)
28日:海でサップ、スノーケリング
※天候によって大きく内容が変わる可能性があります。
※毎日の食事は基本、野外料理です。作る時間がない昼食はお弁当を注文します。
※宿泊は、テント泊です。
- 日時:2019年7月25−28日
- 集合時間:予約を頂いた方に直接メールにてお知らせします。
- 集合場所:予約を頂いた方に直接メールにてお知らせします。
- 対象:小学4年生~中学6年生
- 定 員 :8名(先着)
- 参加費 :島民30,000円 島外45,000円(保険代、食事代、プログラム代が含まれています。)
- 持ち物:予約を頂いた方に直接メールにてお知らせします。
- 申込締切:7月20日(定員になり次第締め切らせていただきます)
- お問い合わせ先:080−8357−3308(田中)Email: mail@yakulabo.net
- 主催:屋久島憲章ラボラトリー 共催:Yakushima Nature Guide Aperuy
みなさん、屋久島憲章をご存知でしょうか。屋久島が世界自然遺産として登録された1993年の8月、町議会は歴史的経緯をふまえて、住民総意のもと屋久島の貴重な自然を生かした地域づくりとそれを保全することを目標とした「屋久島憲章」を制定しました。その憲章の第2項に
2 わたくしたちは、自然とのかかわりかたを身につけた子供たちが、夢と希望を抱き世界の子供たちにとって憧れであるような豊かな地域社会をつくります。
とあります。今回のキャンプは、自然とのかかわりかたを子どもたち伝える事業で、屋久島憲章実現のための活動です。
実現できたらとても素敵な島になると思うので、以下に憲章の文を転載しておきます。ぜひ一読ください。
前文
地球と人類の宝物である屋久島。 この島は、周囲132km、面積503km2の日本で5番目に大きい島である。 屋久杉を象徴とする森厳な大自然に抱かれ、神々に頭をたれ、流れに身を浄め大海の恵みに日々を委ねて人々が生きた島。この島は、はるかな昔から人々の魂を揺さぶりつづけ、近世森林の保全と活用で人々が苦しみ葛藤した島である。そして今、物質文明の荒波をようように免れた屋 久島は、その存在そのものが人間に対する啓示であり、地球的テーマそのものであ る。
この島に住む私たちは、この屋久島の価値と役割を正しくとらえ、自らの信念と 生きざまによって、この島の自然と歴史に立脚した確かな歩を始める。そのため、 この島の自然と環境を私たちの基本的資産として、この資産の価値を高めながら、 うまく活用して生活の総合的な活動の範囲を拡大し、水準を引き上げていくことを 原則としたい。
この原則は、行政機関はもちろん、屋久島に係わる全ての人々が守るべき原則で ありたい。 国の自然遺産への登録も、鹿児島県の環境文化村構想も、この原則を尊重し、理 想へ向けて、その水準を高く100年の計を誤らず推進されることを願うものであり、 これを契機として、次のことを目標とし、ここに屋久島憲章を定めます。
条文
1 わたくしたちは、島づくりの指標として、いつでもどこでもおいしい水が飲め、人々が感動を得られるような、水環境の保全と創造につとめ、そのことによって屋久島の価値を問いつづけます。
2 わたくしたちは、自然とのかかわりかたを身につけた子供たちが、夢と希望を抱き世界の子供たちにとって憧れであるような豊かな地域社会をつくります。
3 わたくしたちは、歴史と伝統を大切にし、自然資源と環境の恵みを活かし、その価値を損なうことのない、永続できる島づくりを進めます。
4 わたくしたちは、自然と人間が共生する豊かで個性的な情報を提供し、全世界の人々と交流を深めます。
自然のかかわりかたを学ぶ機会を
子どもたちに