今回は、イスラエルの女性ハンナとユヴァルの2名。
それぞれシングル艇に乗って出発したのですが、ハンナがとても漕ぎ辛そうな様子。
そこで、僕もシングル艇でしたが、彼女に相談しダブル艇に二人で乗り換えました。
それでもしばらく、二人のパドリングのタイミングが難しくハンナは戸惑っている。
なので、英語で『右!』『左!』と声を掛け合いながら進みました。
しばらく進んで、「イスラエル語で、右、左は何て言うの?」
「右は、『ヤミン』左は、『スマル』よ。」
と教わったので、そこからはずっと『ヤミン!』『スマル!』と掛け声を変えると、二人から笑みが溢れとても嬉しそう。
他国の人が母国語を使うことをとても喜んでくれているようでした。
段々息も合うようになり、ハンナのパドリングも大分安定していきました。
ユヴァルからは、日本語の歌を歌って欲しいと頼まれカヤックを漕ぎながら、突然のリクエストに戸惑いつつ、「ふるさと」を歌うと、今度はイスラエルの歌を二人の美しいハーモニーで歌ってくれました。
川の上に、コールアンドレスポンスの彼女達の歌声が優しく響きとてもあたたかい気持ちになりました。
途中、中州に上陸しホットドリンクを飲みながらイスラエルの食や自然の事、日本を旅した事などを聞かせてもらいました。
下りでは、ハンナは頼もしくしっかりパドリングして見違えるようでしたが、
「実は日本を旅行している最中自動車事故に遭い背中が痛かったの。でもカヤックを変えてくれて今はとても楽になったわ。ありがとう!」
と話してくれた。
異国で聴く故郷の言葉の力で和んだのかもしれないと言葉の持つ力を感じたカヤックの旅でした。
ムビラガイド 濱田 森