枝振りのいい杉で縄文杉より迫力があるなあとずっと思っていた大好きな写真の巨木を矢野さんに紹介すると
「下枝が結構枯れているので、表層根が弱っていますね。」
杉は上に伸びていくに従って、下枝は日陰になって自然と枯れていくと思っていた自分は、「どういうことですか」と尋ねると
「木というのは地面を境にして、根は上の木と似たような形をしているんですよ。そして、深い根はトップの枝と、表層の根は下枝とつながっているんです。」
写真とな異なる木を見上げて、
「ほら、あの杉は高く伸びず、先端が途中で右に曲がっているでしょう。あれは、おそらくすぐ下に大きな岩があって、なかなか伸ばせないでいる根の姿を映しているんですよ。」
屋久島の山岳の表土が浅いことを、知識としてではなく、「木の姿を見て、根の張りを想像することで」理解してしまう矢野さんの森を見る目は、驚きの連続でした。
大地の再生講座@屋久島