モッチョム岳につづく登山道の途中に鎮座する万代杉。推定樹齢 は3,000年と言われています。
杉は水分を好む木で、地面の水だけでなく、霧がよくたつところでも良く育つといわれています。屋久杉と呼ばれている巨木たちは沢のそばや山の傾斜地に立っていることが多いです。
しかし、万代杉は海岸近くの急峻な尾根に生きています。高さは13.2mと六神木の中でも最も背が低いです。そして、最も杉らしくない容姿をしています。尾根沿いは谷に比べて風が強く乾燥していますが、万代杉が立っている尾根は海のそばなので、海風の影響は多分に受けていると思います。台風の時は。。。この厳しい環境が自然樹形では成長させてくれない要因になっているのだと思います。背丈は低いですが幹周は8.6mと紀元杉よりも太いので、間近で見るととてつもなく大きく感じます。
なかなか上に成長させてくれない、だけどじりじりとひねくれながらも枝葉を伸ばしている生き様は、心にグッときます。六神木の中では最も大好きな木です。
冬場は路面が凍結して、縄文杉をはじめ紀元杉や弥生杉などもアクセスできないときがありますが、南部で温かい、そして標高の低い登山口からスタートできる万代杉は、雪が降っても安心して出会える屋久杉です。