雨上がりの苔の森はとても緑が鮮やかになります。屋久島に数ある苔の中でも、フォーリースギバゴケはひときわです。水滴を身に纏ったフォーリースギバゴケに、光が当たると、まるで蛍光色のように明るく透明感のあるグリーンの発色をし、レース状で細やかな姿が、浮かび上がり、とてもキレイなんです!
フォーリースギバゴケ Lepidozia farina ムチゴケ科
分布 南九州、琉球、東アジア〜東南アジア
生育場所 林床の半日陰〜日陰の湿岩上や腐食土上など。
形状、サイズ 茎は長さ10センチに達し、径は0、5ミリほど
暖かい地方を好む、大型のスギバゴケ。
日本に6種あるスギバゴケの中で最大。
学名と和名は、このコケの発見者、ユルバン・ジャン・フォーリーにちなみます。
フォーリーさんは、フランス人の宣教師で、1874年頃から、布教活動の傍ら、植物学者のアドリアン・ルネ・フランシェより依頼を受け、日本の植物採集を始めます。
その足跡は、樺太、朝鮮半島、ハワイ、台湾にまで及び、採取した標本のうち新種は約400種で、世界の植物学関係雑誌にも紹介されました。
死後、青森浜町教会に収蔵されていた遺品の標本は、約10000種、62440個と膨大な数だったそうです。
また、彼は、日本で活動した「最後の外国人プラントハンター」とも言われています。
屋久島のコケの中でも、際立って美しい発色をするこのコケを初めて見た時、フォーリーさんは、どんな風に感じたのでしょうか。