屋久島の山奥でひっそりフタリシズカが芽吹き始めました。
フタリシズカの名前は能の謡曲「二人静」の中で静御前の霊とその霊に憑かれた菜摘女(なつめ)が舞を舞う姿に、この花を見立て名付けられたと言われています。
花色は白色。花糸は短く、ヒトリシズカのように糸状にはなりません。
粒状の白い花を十数輪咲かせ、花びらが無く、くるりと内側にまいて1輪の花になっています。
葉は4枚付きます。
株1つに花穂が2〜5本出るので(多くは2本)、花穂が1本でる「ヒトリシズカ」に対して、この花が「フタリシズカ」と名付けられたといった説もあります。
御前静はどんな人?
源義経の恋人で、正室ではありませでした。
源義経は、兄の頼朝に追われ、静御前は頼朝軍に捕えられ、鎌倉の鶴岡八幡宮社前で頼朝と妻の政子の面前に引き出されます。頼朝と妻の政子は静御前に舞をするように命令しました。
静御前は生き別れとなった義経を慕う舞を皮肉をこめて舞いました。
源頼朝は怒りましたが、政子は「夫を慕う女心は、女にしかわからないもの。」と感動し夫をなだめました。
静御前とその母親である磯禅師は京に帰されました。政子は多くの宝を与えました。
その後の彼女の足取りは不明。
花言葉は「いつまでも一緒に」
御前静はその後の人生も義経を思い生きつずけたのでしょうね。
フタリシズカ(二人静) hloranthus serratus
せんりょう科 チャラン属
多年草
分布:北海道、本州、四国、九州。朝鮮、中国、サハリン
開期:4〜6月
草丈:30〜60cm