屋久島のあちこちで、食虫植物のようなマムシグサの花が咲いている姿を見かけます。
マムシグサは、サトイモ科テンナンショウ属の多年草。
球根から偽茎を伸ばし、その先に葉と花をつけます。
偽茎は、葉柄下部の2つの葉鞘部分が重なってできたもので、紫褐色のまだら模様があり、この模様がマムシに似ているところが、マムシグサの由来。
花は食虫植物のような構造ですが、虫をとらえるわけではなく、中に入った虫を出にくくし効率よく受粉するための仕組み。
全草が有毒ですが、アイヌや伊豆諸島、また飢饉に陥った際などに救荒食料として食べられるよう工夫がされてきたそうです。
山地や原野の湿った林床に生え、 形状に変異が多い多年草で、成長すると高さは50 - 60センチメートルに達します。
葉は2個あり、楕円形の小葉が7個から15個つく。 球茎は平たい円形で地下にある。
雌雄異株。
果実は秋に橙色から赤色に熟し、トウモロコシに似た形状の果実を付ける。
全草にシュウ酸カルシウムの針状結晶、サポニン、コニインが含まれ、特に球根の毒性が強く、その汁に触れると炎症を起こします。
誤って食すと口中からのどまでに激痛がはしり、唾を飲み下すことすらできないほどとなる。 また、激しい下痢や嘔吐、心臓麻痺といった症状が現れ、重篤な場合死亡するとのこと。(汗)
マムシグサの仲間の、ウラシマソウの球茎を熾火で加熱し、実際に食べた人の感想は、以下のように凄まじいもののようです。
「ウラシマソウのそれは口に入れて2秒後には一見辛さ(からさ)から始まったかのように思えたが、僅か数秒後には舌の上下から電撃の走る剣山を突き刺して馬に引っ張らせるかのような拷問に変貌し、どんなにうがいしても舌を歯ブラシで磨いても何も変わることない辛さ(つらさ)だけが上限のまま30分以上続いた。」
また、世の中にはすごいチャレンジャーがいて、マムシグサの球茎を高温で長時間加熱し、さらに水洗いし、念入りに加工して、スイートポテトならぬ、スイートマムシグサを作って食べてみた人もいて、意外にも「普通に美味しかった。」
とのことでした。
でも、決して真似しないで下さいね。
マムシグサ(蝮草)
学名:Arisaema serratum
サトイモ科テンナンショウ属マムシグサ種
原産地:日本、北東アジア
草丈:50~70cm