モウセンゴケ 毛氈苔 Dorosera rotundifolia
モウセンゴケ科 モウセンゴケ属
分布 南極大陸を除く全世界的に分布。170種以上のうち半数以上がオーストラリアに分布。
名前にコケとつくが、コケ類ではなく、種子植物。
食虫植物の一種で、多年草。
葉には、腺毛と呼ばれる、長い毛を持ち、その先端から、甘い香りのする粘液を出し、それにつられてきた虫を粘毛で捕え消化吸収して自らの養分とします。
捕えられた虫は、15分ほどで、息絶えるようです。
モウセンゴケの多くは、湿原や湿地など、いずれも土壌の酸性度が高く栄養素が乏しく、厳しい環境での暮らし。
捕えた虫から、窒素化合物やリン酸など植物になくてはならない栄養を取り込むことで、過酷な環境に適応しています。
中でも、ピグミーモウセンゴケという種は、進化の過程で土から栄養を取ることを完全にやめてしまったそうです。
しかし、「食虫植物虫」とも呼べる、モウセンゴケ類だけを食草とするモウセンゴケトリバという蛾の一種も存在します。
独特な生態のモウセンゴケに魅了された一人に、
進化論のダーウィン博士がいます。
1875年に発表された彼の本では、285ページに渡り、モウセンゴケの研究内容が書かれています。
また、オーストラリアのアボリジニや、北米の先住民たちは、モウセンゴケの薬用効果も熟知していたそうで、乾燥させた葉を煎じて飲むと、気管支炎、喘息、百日咳や空咳などに効くとのこと。
近年の研究では、花粉症やアトピーなど、アレルギー性炎症を抑制する物質が含まれていることがわかっているそうです。
虫を食べる植物と聞くと、ちょっと残酷なイメージもありますが、彼らの環境や生態メカニズムを知ると、なるほどな〜と思いつつ、僕らの食生活の方がもっとすごいなーと思う今日この頃です。
令和2年2月26日にモウセンゴケの新芽が出ているのを発見!!
少し曲がった先端がかわいいですね♪
モウセンゴケ 毛氈苔 Dorosera rotundifolia
モウセンゴケ科 モウセンゴケ属
分布:北海道から九州の湿地帯