ネズミモチ(鼠黐)
ネズミモチは関東南部以西のやや暖地の山林に自生し、かつては盛んに植栽された常緑の低木で、果実は11月頃に完熟し黒くなり、これがネズミの糞に似ているので俗にネズミノフン、ネズミノコマクラと呼びます。
戦時中には砕いた実をコーヒー豆の代用として飲まれたいたらしいです。
ネズミモチの果実を乾燥したものが生薬ジョテイシ(女貞子)で、強心、利尿、緩下、強壮薬として古くから用いられ、肝臓、腎臓、腰、膝、若白髪、月経困難にも効き目があるとされています。今でもジョテイシエキスは滋養強壮系の市販のドリンク剤やカプセル剤に配合されていて、果実酒としても長年親しまれていました。
果実のほかに、樹皮は女貞皮として風邪の熱、抗菌作用のある葉は女貞葉として解熱、根は女貞根として咳嗽治療の目的で利用されてきました。葉や樹皮は染色にも利用されていたそうです。
漢方処方の二至丸(ニシガン)はジョテイシと旱蓮草(カンレンソウ)からなるもので、視力低下、目のしょぼしょぼ感、かすみ目、足腰の重感無力感、若白髪などに用います。
まさかこんなに薬に使われていたとは・・・今度実を収穫してみようかな?
ネズミモチ 鼠黐
モクセイ科イボタノキ属
分布 関東南部以西のやや暖地の山林に自生
高さは2~3 mになる