ミヤマシキミ
本州、関東地方以西から四国・九州に分布するミカン科ミヤマシキミ属の常緑小低木。山地の林内に生え、高さは1~1.5メートルになります。長楕円形の葉は革質で光沢があり、互生します。4月から5月ごろ、枝先に円錐花序をつけ、白色の花を咲かせます。花には甘い芳香があります
和名、深山樒(ミヤマシキミ)は、山中に生え、枝葉がシキミに似ているところから。
有毒植物で、葉、果実にアルカロイドのスキミアニンやジクタムニンが含まれ、誤食すると、けいれんを伴う中毒を起こすこともあるそうです。
かつては、頭痛やめまいなどの民間薬として使用され、煎じた汁は虫下しとしても使われたそうです。
茶書『南方録』の「覚書」の中に「花生(はないけ)に入れぬ花、狂歌に」として、歌があげられています。
花入れに入れざる花はちんちゃうげ 太山(みやま)しきみにけいとうの花
女郎花(おみなえし)ざくろかうほね金銭花 せんれい花をも嫌うなりけり
歌では、[沈丁花・深山樒・鶏頭・女郎花・石榴・河骨・金銭花・せんれい花」が禁花とされているようです。
匂いが強い、縁起が良くない、鶏冠の形だから、名称が良くない、実の形状が良くない、骨だから、金銭だから、花期が長いから等々から、茶花には用いないそうです。
ミヤマシキミ/深山樒
学名 Sikimmia japoninica
ミカン科 ミヤマシキミ属
本州、宮城県以南、四国、九州に分布。