上の写真は屋久島で有名な苔むす森です。屋久島の2大トレッキングスポットである白谷雲水峡内にあります。たくさんのサイトでコース案内は紹介されていると思うので、当店では写真家&現地ガイドの視点で、美しい白谷雲水峡の世界を写真で紹介していきたいと思います。
2018年の冬は、雪がよく積もりました。屋久島に移住してきて10年目、白谷雲水峡にここまで雪が降り積もったのは初めて。登山口から10分ほどしてあらわれる飛竜落としの滝。雪をまとうとまたオツです。
雨上がりのタカサゴサガリゴケはとても美しいです。しかし、数日晴れが続くとまずこの苔がカサカサになってしまいます。絵になってくれる期間がとても短い苔だけに、そして雨の多い白谷雲水峡の雨上がりの木漏れ日は貴重なだけに、雨がやみ森に陽が差し込むと、意識は自然とこの苔にいってしまいます。まだ潤いを保ったタカサゴサガリゴケが木漏れ日を浴びると黄金色に輝きだします。もうそれはそれはうっとりの世界です。そんな幻想的なシーンに、そよ風がフワッと流れて、黄金色のカーテンを揺らした時には。もう。。。気絶しない様に意識を保っておくのが大変です。笑 雨上がりの白谷雲水峡、感動的ですよー。
屋久島には600種以上の苔が生きています。そして、白谷雲水峡は苔の多さで有名な森。急ぎ足をスローダウンさせて、腰をかがめて小さな苔たちの世界を観察していると、いつの間にか夢中になっている方、とても多いです。笑 それだけ多くの魅力が苔には内在しています。とても混み合うトレッキングルートなので、撮影メインの方は白谷雲水峡で1泊することを当店ではオススメしています。時間的に日帰りしかできない場合は、早朝か、夕暮れ時がオススメです。顕微鏡モードを搭載したオリンパスのTGシリーズのカメラを使用すると、苔の美しさが倍増されるのでオススメですよ。
江戸時代から伐採されている白谷雲水峡は切り株が多いまだ若い森という印象です。しかし、辻峠付近にまで来るとぐっと雰囲気が良くなって、ようやく巨木の森になり始めます。その巨木の森で出会ったワンシーンです。
太鼓岩に登りつめると、屋久島最大の樹海盆地が眼下に広がります。写真は1泊ツアーの夕方に出会ったシーンです。多くの人が日帰りで白谷雲水峡を去っていきますが、森で1泊することで素晴らしい世界に浸ることができます。
春に太鼓岩に登ると、山桜が咲き乱れるこんな世界が広がっています。6〜9年前は3月下旬に咲いていましたが、ここ4、5年は4月上旬ぐらいに咲き始めています。屋久島の絶景のうちの一つに入る名所です。
太鼓岩の眼下に広がる樹海は、実は1970年まで伐採の入っていた森で、当時はほぼ丸裸だったそうです。裸地にまず生える木をパイオニア種と呼びますが、山桜もそのうちの一つ。年々、山桜のピンクの割合がすくなっているような気がします。少しずつ遷移が進み、極相に向かっているのでしょう。あと、40年たったらどんな景色になっているのか、ヨボヨボのジジイになるのが今から楽しみです。
白谷雲水峡ではコイタチに出会うことが時々あります。他の登山道に比べると出会う頻度が多いような気がします。とは言え、遭遇率は鹿や猿に比べると低いので出会えたらラッキーです。動きと表情がとても可愛い森の住人です。以下のURLにコイタチについて詳しくまとめています。https://trekking.aperuy.com/photogallery/mustela-itatsi-sho
以上の写真はすべて山に1泊して撮影したものです。いいシーンをものにするにはカメラの腕よりも、滞在時間がものをいいます。じっくり、ゆったりだと美しいものをたくさん発見できる心のゆとりが生まれるからだと思います。是非、白谷雲水峡は1泊で!