トロッコ道の橋の上で、ナナカマドの新緑に足をとめました。
下から仰ぐと、葉っぱの形、葉脈、葉のフォルムや、グリーンのコントラストが、透けて空に浮かび上がるようにキレイで、季節を感じました。
赤く染まる紅葉や果実が美しいので、北海道や東北地方では街路樹としてよく植えられ、実は鳥類の食用になります。
ナナカマドの実には、青梅やアーモンド、リンゴの種などと同じ「シアン化合物」の毒が微量ですが含まれています。そのナナカマドを鳥たちが食べられるのは何故でしょう?
ナナカマドは完全に熟さないと毒があり苦み成分も強いのですが、熟した頃、雪によって実が凍ると毒が抜けるようです。(ナナカマドの実を冷凍庫で冷凍、解凍を繰り返し、加水分解処理をすると、苦みは取れ、毒素も分解されます。)
鳥たちもそれが解っていて、直ぐには食べずに、冬の初めなどに食べにくるのです。ナナカマドは鳥達に食べられることによって、種を遠くへ運んでもらい、鳥達に実を食べてほしい時期には毒が抜けているようです。
また、生の果実中に存在するソルビン酸はナナカマドの学名より取られ、現在は合成したものが保存料として使用されているそうです。
名前の由来
燃えにくく、七度カマドに入れても燃え残るからというのが通説ですが、実際はよく燃えるようです。
また、かつて薪炭材として利用され、炭にするのに七日間カマドに入れて蒸し焼きしたところからという説もあります。
名前の由来を検証するためにも、本当に燃えやすいのか確認してみたいな。
ナナカマド(七竈、学名;Sorbus commixta)
バラ科 ナナカマド属 (落葉高木)
英名:JapaneseRowan
樹高 7〜10m
分布 北海道〜九州
実は赤く熟す
穂状の白い花
葉:奇数羽状複葉、 小 葉は 長 だ円 状 披針形で先が細く尖る
小 葉は9~15枚、基部は円形、ふちは鋭 重 鋸歯、互生
幹:皮は灰黒褐色、横に浅くさける皮目