2019 3/20 標高700m付近にて撮影
縄文杉トレッキング中、トロッコ道の橋の上で、ムベの花が咲き始めているのに気がつきました。
屋久島では、新緑が徐々に見られ、この光景にも春の訪れを感じます。
ムベは、春に白い花を咲かせ、秋に赤紫色のアケビによく似た実をつけます。
アケビの実は、熟すと割れて、白い果実が現れますが、ムベの実は開きません。
そのため、実に虫がつかないので、庭に植えられることも多いようで
す。
この木の葉は、幼木では3枚、その後5枚、実がなる頃には、7枚になるので、「七五三の縁起木」とも呼ばれます。
果実は、生食の他、飴やジャム、酒などに加工され、茎や葉を干したものは、野木瓜(やもっか)と呼ばれる生薬で利尿剤に。
〜伝説の不老長寿の実〜
ムベの名付け親は、天智天皇(626〜671年)と云われています。
天智天皇が狩りに出かけた際、8人の息子を持つ健康な老夫婦に出会いました。
「お前たちはなぜ、そのように元気なのか?」と尋ねると、「この地で取れる無病長寿の実を毎年秋に食べているからです。」と答え、その実を献上。
それを賞味した天皇が、「ムベなるかな(もっともだな)」と言ったことから「ムベ」と呼ばれるようになったようです。
現在でも、ムベは皇室に献上されているそうですが、僕はまだ屋久島でムベを食べたことがありません。
猿の好物でもあるようで、なかなか実を見つけられませんが、いつかぜひ伝説の実食べてみたいなあ。
ムベ 郁子 Stauntonia hexaphylla
アケビ科ムベ属 常緑ツル性木本
分布 関東以西、台湾、中国