4月2−3日で永田岳に行ってきました。前日の寒波で奥岳は冠雪。白谷雲水峡の太鼓岩から見る奥岳が白くなっているという情報を聞き「やっぱりもう1発きたかっ!」と、予想が当たり嬉しくてワクワク。今年は暖冬で雪の少ない屋久島ですが、高確率で雪の奥岳を味わえてます。
ゲストは、4年前ぐらいに永田岳を2泊で縦走したトモちゃんの友達ということで、これまた嬉しいつながりで生まれた山旅でした。
前日の冷たい低気圧は過ぎ去ったものの山には雲が残る予報。北風もおさまらず予報通り曇天の冷たい風の中、スタート。
宮之浦岳を越えるまでの南面はほとんど雪は残っていませんでしたが、水の流れる日陰の登山道は薄く凍っていてツルツル状態。アイゼンだと爪が長すぎ、ゴムスパイクだとイボが短いといった氷のコンディション。
宮之浦岳を越えるとぐっと雪が多くなって雪心が熱くなります。写真の大岩には冷たい北西の風が当たり続けたのでしょう。寒風の軌跡が雪の模様で垣間見れます。
焼野周辺ではいい感じにガスに包まれ、永田山頂ではアラレまじりの吹雪に。風速10m前後あったでしょうか。気温がマイナス2℃だったので、体感ではマイナス10℃ぐらいの寒さでした。永田岳山頂は電波が届くので、アイフォンで撮影して、吹雪の様子をSNSにアップしようとしましたが、投稿中に急速に冷やされたアイフォンは電池切れに。寒風にさらした時間は3分ほど。70%あった電源は一気にゼロに。雪山でのスマートフォンはホッカイロを貼っとくに限りますね。
永田岳から鹿之沢小屋に向かう北面はさらに雪が多く海老の尻尾も断然大きい状態で残っていましたが、強風で視界が悪く、カメラ欲をぐっとこらえて黙々と下降。高度を下げてロウソク岩展望台までくると気温が緩みだしたのか雪は雨具の切り替えに悩むような、雨まじりの雪となりました。そうなると木々についた雪が急速に溶け出すのが屋久島の雪山。鹿之沢小屋に着く頃にはグッショリ状態。結構な冷え込みだったので、テント内で調理しながら暖をとって、体を温めながら、濡れたギアを乾かし、ほっこりタイム。心も体も温まったら、冷めないうちに寝袋に包まれて就寝。
翌朝は小屋を出るときは真っ白の霧の中でしたが、山頂直前で予報通り晴れ渡りました。
山頂で天気図を確認すると、もう中国大陸には前線が発生していたので、天気がもつか心配していましたが、この日は雲が多かったものの終日晴れ。同じような気圧配置の時、曇天や雨になる事も多い屋久島の山岳天気。ここら辺の天気の読みがまだできず、観天望気ができない未熟さが悩ましいです。
永田岳山頂にて。
障子岳は冠雪していませんでしたが、永田岳の東端のピークにはいい感じに雪が残っていてくれました。しかし、昨日に比べると雪は急速になくなっている印象です。
今回のベストショット。永田の絶壁はやっぱりたまりません。
永田岳を後にして宮之浦岳に向かう途中には、かなりのアニマルトラックが。アニマルトラックとは、雪面につく「動物の足跡」ことです。足跡から動物たちの気配を感じとる遊びは、なんとも言えない豊かな気持ちにさせてくれます。このアニマルトラックはニホンイタチです。屋久島のイタチは下の記事にたくさん写真を載せてますので、ぜひご覧ください。
屋久島のニホンイタチ( Mustela itatsi sho ) |
溶けゆく雪の下にあるアセビの蕾に、奥岳の春を感じた瞬間でした。標高1000m付近では開花真っ盛りのアセビですが、奥岳ではまだこれからといった感じです。右奥に見えるのは永田岳です。雪があるようにはとても見えません。山はやっぱり登ってみないとわからないですね。
最後に宮之浦岳の北面がいい感じに雪がまだ残っていて青空とのコビネーションが良かったので紹介します。
青空広がるこの晴天で永田岳の雪はほとんど溶けてしまうでしょう。屋久島の雪山は狙うのが難しいですが、儚く奇跡的でたまりません。直感では今年の雪山は今回で最後になるなあと予想してます。
屋久島の北アルプス永田尾根の雪遊び、また来年っ!