永田岳の魅力は5つ
屋久島で2番目に高い山です。標高は1,886m。女性的な宮之浦岳の姿とは対照的に永田岳は、荒々しく切れ込み男性的な山塊です。宮之浦岳は、日本百名山にエントリーしているのでミーハーな日本人たちにウケていますが、山頂にいるとやがては飽きてしまう単調な山であるような気がします(宮之浦岳ファンの方、すいません!あくまで私感です)。
1.その反面、永田岳の山頂は丸一日いても飽きることのない山です。山頂はいくつかのピークが存在していて、山頂付近で様々な冒険遊びができます。
2.登山者は、宮之浦岳、縄文杉、白谷雲水峡に集中しているので、永田岳には全く人がいなーい!人がいないことも大きな魅力です。人のざわつきが消し去ってしまう太古の風を永田岳では感じることができます。
3.そして、何と言っても山の雄姿がかっこよすぎてしびれます。このページでは、これでもかというぐらい、様々な角度で永田岳を写真で紹介させてもらいます。笑 登山道が伸びている山の中では、当店ガイドが最もおすすめする山域で、できればガイドは永田岳しかガイドしたくないと思っちゃうほど、心の奥深くがとり憑かれてしまう魅惑の御山です。
永田岳山頂から望む障子尾根
4.展望も最幸です。南東に雄大な宮之浦岳。北に伸びる尾根は、屋久島で最もエキサイティングな山脈「障子尾根」へと。西壁は深く落ち込み、永田集落にそそぐ永田川源流に通じています。宮之浦岳からでは見ることのできない、ダイナミックな大興奮の景観が永田岳のピークを超えた瞬間、静かに広がっています。
5.永田岳周辺はシャクナゲの咲きが毎年、濃厚です!シャクナゲをじっくり撮影したい方には、背景に花崗岩の山塊を絡めながら様々な魅力的な構図で写真撮影が楽しめること、間違いなしです。季節は5下旬〜6月中旬です。絵になるスポット、たくさん知っていますので是非ねらいに来てください。
ではでは、展望と雄姿がどれだけ素敵か、写真で誘惑しながら、ルートの説明と見どころを紹介していきまーす。
永田岳に登りつめるルートは主に4つ
永田岳に登りつめるには大きく4つのルートがあります。まずは、永田歩道と花山歩道です。この2つの歩道は標高の低い地点に登山口があるので、屋久島の山岳の奥深さを体感しながらストイックに永田岳でフィナーレを迎えたい人にはおすすめの歩道です。しかし、距離がある上に、標高差がとてもあるので健脚な方向けのコースになります。
3つ目は、白谷雲水峡or荒川登山口から入山して、縄文杉を見ながら、じっくり永田岳まで行くコースです。時折1泊2日の行程でこのコースを縦走される方がいますが、相当ハードになるので、2泊3日で行くことをおすすめします。クライマックスの永田岳の夕日はとても感動的です。屋久島3大人気スポットの縄文杉、白谷雲水峡、宮之浦岳のすべても堪能しながら縦走できるので、当店のリピーターの方には人気のあるコースです。
そして、4つ目が最もおすすめするコースです。それは、淀川登山口から入山して、黒味岳、宮之浦岳と異なったピークの展望を楽しみながら、永田岳まで行くコースです。ほとんどの現地ガイドたちも、このコースを選んでいます。それは、最も容易に永田岳に行くことができるからです。淀川登山口の標高は1300mほどとかなり高い地点から出発できるのはとてもありがたいことです。しかし、距離は結構あります。このコースを多くの登山者は1泊2日で駆け抜けてしまいます。それはもう、永田岳の頂に足を踏みさえすればいいという感じのもので、それはまるで日帰りの縄文杉のようなペース配分となってしまいます。とてもゆったり景色を味わいながら登山はできないのが現状です。なので、写真好きの方にはとてもおすすめできません。撮影に没頭してるとガイドに尻を叩かれ急かされてしまうことでしょう。笑 この縦走路は間違いなく、屋久島の深部を代表する素晴らしい山域で、歩くたびに感動的な景色が次々に目に飛び込んでくるいいトレイルです。その1シーン1シーンを噛み締めながら、感動を増幅させながらフィナーレの永田岳を迎えたいので、当店では永田岳を目指す場合は、2泊からとさせていただいています。どうしても1泊でと!希望される方は、ウルトラライトハイキングのページへ。
縄文杉と白谷雲水峡を捨てられる、屋久島の本質を味わいたい方は是非このコースを!人でごった返す人気スポットでは到底味わえない、屋久島の奥深さに心が震えること間違いなしです。朝日と夕日にこだわっている方は、3泊が最もおすすめです。天候の変わりやすい山岳エリアですが、3泊あれば、かなりの高い確率で、感動的な朝日や夕日を永田岳で、ものにすることができます。2〜3泊にすると黒味岳に立ち寄るゆとりがあることも大きなメリットです。黒味岳はとても魅力的な山です。一度、黒味岳のページも是非ご覧ください。
以上、4つの入り口を説明しましたが、これからは4つ目の最もおすすめするコースを写真つきで紹介していきたいと思います。
淀川登山口〜永田岳の道のり
淀川登山口から黒味別れまでは黒味岳のページに詳しく紹介しています。黒味別れ〜宮之浦岳山頂〜焼野の三叉路までは、現在作成中です。しばらくお待ちください。
では、焼野の三叉路から永田岳までのルートを紹介していきますね。
焼野の分岐からの特徴は、「緩やかな笹の草原」という表現がよく形容しているように思います。永田岳麓のとりつきまでは、息が荒れることのない高低差の緩やかな道が続きます。ゆっくりノビをして太古から吹き続ける風を感じたい領域です。
1泊で永田岳を目指す場合は、休みなく歩かないと鹿の沢までたどり着けないスピードハイクぎみの登山となってしまいますが、2泊にすると昼寝タイムがもれなく付いてきます。焼野周辺は昼寝に、もってこいの場所がありすぎてどこで寝ようか悩みます。笑
昼寝すると疲れが取れてまた元気に歩けます。登山のお昼寝タイム、当店ではとても大切にしています。
少ない日程でやる事を詰め込んでしまう日本人は、休日もいつの間にか大忙しに。。。忙しい時には、なかなか遊び心は芽生えません。そしてガイドも同じ事が言えます。タイトな登山行程だと、先の事ばかり考えて、今という瞬間を楽しみたい旅人の気持ちに寄り添えず、急かしてしまう事も。詰め込み登山ほど虚しいものはありません。時間がたっぷりあれば旅人はたくさんの遊び心が湧き、ガイドはその遊びを微笑ましく見守れます。笑 永田岳は2泊が絶対オススメですよ。焼野周辺は屋久島のカミが与えてくれた人生の休息場所であるかのような世界です。無心でぼーっとしたり、読書をしたり、コーシーを飲んだり、お気に入りの音楽を聴いたり。しばし、人生の急ぎ足を止めて、ゆるりとしたい平原です。
焼野の周辺は鹿によく出会います。
疲れの中に不思議な充実感が満ち溢れてくるから山登りは素敵です。
永田岳の麓までやってきました。ここから見上げる永田岳は誠に偉大であります。最後の水場で水を補給しながら一休み。
休みがてら冬の写真を一枚。冬になるとこんなに雪が積もりまっす。雪化粧の永田岳、最幸ですよー。
さあ、いよいよ最後のひと登りに向けて出発っ!
永田岳まであともう一踏ん張り。急な登りに息がけっこうあれるので、ちょこちょこ休憩をとるのがおすすめです。必死に登って足元ばかり見ていると壮大な風景を見過ごしてしまいます。来た道を振り返ると、宮之浦岳がずっと静かに見守ってくれています。
とりつきから30分弱で山頂到着っ! ピークはまるで天国のよう。ここちいい風が一気に汗を消し去ってくれます。
永田岳の山頂では猿に出会うことが多いです。私のガイド山行では遭遇率50%ぐらいでしょうか。永田岳出会うお猿さんはいつも貫禄があるのですが、このポーズはピカイチでした。笑
山頂からは永田の集落が。
永田岳から永田川をのぞむ
雲の流れをただただ見続けるのが、たまらなく面白いです。
永田岳山頂から見る宮之浦岳は最も雄大さを感じてしまうアングルです。あの山頂から、ここまで歩いてきた過程がそういう思いにさせるのかもしれません。
障子岳方面は夕刻、雲海が広がることが多いです。
山頂でサンセット。今まで頑張った疲れが一瞬で吹っ飛ぶ瞬間です。
2泊にすると朝日も見れちゃいます。
朝日と夕日の写真は、膨大にあるので別のページで紹介する予定です。ここでは一枚だけ。
永田岳の西面はシャクナゲがとても多いです。花の時期はもちろん美しいですが、個人的はシャクナゲの新緑の季節の方が圧倒されます。シャクナゲの新芽は綿毛のようなものがついているので白っぽく見えます。7月中旬、一面白の不思議な世界になります。
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